ぐんま臨床心理オフィスを開設しました

オフィスの開室に際して

名称について

当オフィス開室につきましては、HP本文に書きましたように時代への危機感が「いよいよ」「ついに」という体感として感じられたことが契機となって、2024年春に開室の準備が始まりました。

私が群馬に来た当初は、なんとなくですがこちらに住むのは数年のつもりで、いずれ実家のある東京に戻る感覚であったように思います。しかし気が付けばもう15年程も群馬の地に住んでおり、こうしてオフィスを開室しているということに不思議な縁を感じています。

そこに至るにはもちろん患者さんとそのご家族を中心にたくさんの方々と出会い、自然とそこに住む人にも土地にも愛着を感じるようになったということがあります。

そんな思いから開業するオフィスの名前(屋号)を考えたとき、「ぐんま」の名をそのまま素直にオフィス名に冠することとしました。群馬という土地と、そこに住むすべての方々への感謝と敬意を、私なりに込めさせていただいたつもりです。

オフィスの場所について

「オフィスの場所をどこにするのか」が、条件も色々あって当然ですが一番難渋しました。自身の記憶を辿れば出会いは在籍してきた桐の木クリニックを中心に、安中市、高崎市、前橋市、富岡市、藤岡市、伊勢崎市、吉岡町、渋川市、太田市、さらに遠くは桐生市や館林市、嬬恋村、草津市、県外からは熊谷市や足利市からも通ってきてくださった方達がいらっしゃいます。

上記のような群馬の地でお会いしてきた方々をイメージした時、群馬県庁にほど近く群馬大学病院間近のこの地は、もちろん完璧ではないものの悪くはないように思えました。「車社会の群馬であれば、ここでそれなりに色々な方と出会えるのではないか?」とドキドキしながら決めたことなのですが、皆様にご理解とご愛顧をいただければ嬉しく思います。

オフィスのイメージカラーについて

インテリアやHP作成時のイメージとして色彩を考えるわけですが、これはお世話になっていた中根千景先生が「南新宿カウンセリングオフィス」を開室するところに運良く居合わせたことの影響はやはり大きく、15年以上も前から「もし開室する時があったらグリーン系にまとめよう」と思っていました。

グリーンは安らぎや落ち着きを与えてくれる意味合いが心理学的にもありますし、私自身も5月生まれからなのか、若葉や新緑、木漏れ日をのんびり眺めるのが大好きであったのもあるかと思います。そしてグリーンの調度品を集める経過の中で、森→くまのプーさん(原作)の名言の数々が自然と連想されることがありました。そこで、壁には私の心理療法のイメージにぴったりと考えている“プー棒投げ”の挿絵を掛けることとなり、そんな絵をデザイナーの野川さんが興味をもってくださって、HPトップページにプーさんの名言(訳文には著作権もあるので、原文から私なりに訳したしたものですが)を記載することになった経緯があります。

オフィスのロゴについて

当オフィスのロゴは、HP作成をお願いしていた野川さんに「若葉のイチョウ」というテーマでデザインしていただき、手前味噌?ながらとても気に入っています。野川さんがとても一生懸命かつ柔軟な関わりで私の言葉を尊重してくださる方だったので、私自身がカウンセリングを受けているような感覚で気持ちよくイメージを可視化していただけたように思います。

テーマにしたイチョウはオフィスのある群馬県前橋市、また私の出身地である東京都八王子市に共通する「市の木」です。ただそれだけではなく、何よりイチョウは生命力・回復力が強いことが特徴で、広島に原爆が投下された悲劇の後、焼け野原からいち早く新芽を出して彼の地に希望を与えたのもイチョウの木だったという話があります。このエピソードから、私は傷つきながらも成長していく、自己回復力としての「レジリエンスresilience」という言葉も連想したので、当オフィスのロゴとすることに決めたのでした。

また蛇足かもしれませんが、イチョウは寺社に多く植えられていることから「鎮魂」の意味もあります。これはカウンセリングでよくテーマとなる「喪失体験」からの抑うつ、そして「喪の仕事Mourning Work」を経て回復・成長していくプロセスを連想させ、こちらの意味でもオフィスのロゴとして相応しいなと感じています。

以上、初めてのブログ記事ですので、今回はHPに納めきれない部分を補足する形で書かせていただきました。今後は「非認知能力」や「レジリエンス」、また「喪の仕事Mourning Work」についてなど、心理学やカウンセリング、心理療法の観点から悩まれている方にお役に立ちそうな内容を中心に、クライアントさんとの間で印象に残った映画や本、アニメや漫画などについても書かせていたただければと思います。

参考リンク
「広島のイチョウ」:災難乗り越え新たな芽吹き 力強く生き続ける被爆イチョウ
「レジリエンス」:出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

謝 辞

オフィス開室にあたりあたたかい応援のお言葉をいただいた横山剛先生、中根千景先生、半田文穂先生

文京学院大学大学院にてご指導いただいた諸先生方、先輩方と同期の皆さん、刺激をいただいた多くの後輩の方々

学会や研究会、ワークショップ、スーパービジョンなどでお世話になった精神科医・臨床心理士の諸先生方

神奈川県藤沢市教育委員会、日本大学、文京学院大学、南新宿カウンセリングオフィス、埼玉純真短期大学にてともに働かせていただき、育てていただいた諸先生方、カウンセラーの皆さん

桐の木クリニックをはじめ様々なきっかけを私にくださった、大学院の仲間であり戦友でもある布施由紀先生

また現在進行形で支えてくださっている医療法人唯愛会のスタッフの方々:

桐の木クリニックの医師と医療事務スタッフの方々、ケースワーカー、カウンセラー、看護師、デイケアのスタッフの方々 

唯愛会福祉領域にて常々助けていただいた就労支援施設「リベルタ」と地域生活支援センター「ヌア・リーベ」スタッフの方々、グループホームスタッフの方々

連携を支えていただいた地域の医療・福祉スタッフの方々、学校関係者、企業の経営者や管理職、人事の方々

オフィス開業にあたり、快く相談にのっていただき貴重な助言をいただいた「心理相談室 むさしの」塚田展子先生、「清澄白河サイコセラピーオフィス」橋爪龍太郎先生、「まえばしカウンセリングオフィス」別宮幸徳先生、「心理臨床オフィス えんノート」畠山正文先生

私のイメージを尊重してくださり、すてきなホームページとロゴをデザインしていただいた野川さん

また、私の我儘を尊重し背中を押して応援してくれた家族たち

そして最後に、人生の大変な時期に心理療法家として少しでも伴走させていただく機会を与えてくださった、今まで出会ったすべてのクライアントさん/患者さんとそのご家族に

心より御礼を申し上げます。

ぐんま臨床心理オフィス 加藤達矢